・自分の嫌いなところも含めて、自分を好きになるための第一歩は、自分を嫌いだと思っているところを客観的に見ることです。子どもの場合、自分で嫌いだと思っているところは、親もそこが子どもの欠点だと思い込んでいることが多いので、親も一度、その思い込みを捨てましょう。例えば、「自分は我儘だ」と思い込んでいる子どもに対しては、「あなたはと気ごき我儘な態度をとる時があるわね」と言い換えて上げます。そして子どもに、どんな時に我儘な態度をとったか思い出させます。子どもは、自分のしたことで嫌なことは、全て「絵我儘な自分」のせいにしてしまっているので、その思い込みから解き放ってあげるのです。すると、実は我儘をするのはほんの時たまで、人のことを思い遣ったり、人に譲ったりというようなこともできていたんだ、と子どもは気づくかも知れません。
・「以心伝心」「言わぬが花」「沈黙は金」など、口に出さないことをよしとする言葉がこんなに好まれる日本という国も珍しいでしょう。関係が身近な人間同士になればなるほど、この傾向は強まります。ですから、「ありがとう」の一言も、照れ臭かったり、「わざわざ言わなくても、親子なんだから感謝していることはわかるはず」と考えて、つい言いそびれてしまいがちです。でも、「以心伝心」がいつでも通用するとは限りません。とくに、自信をなくしている人に対して、沈黙は決して良い結果をもたらしません。反対に、「ありがとう」と言われて、「わかっているのに、なんでわざわざ」などと嫌な気分になる人はいないのです。
・子どもが何か悪いことをした時や、成績が悪かった時など、親はよく、「あなたはいつもそんなことばかりする」とか「みんなはできるのに、どうしてあなたはできないの」などと言います。ここで、子どもに対する自分の言動を振り返ってください。ほとんどの方が、そういう言葉を子どもに対して使われたことがあるかと思います。いかがでしょうか。普段はあまり気に留めていないと思いますが、ここで問題なのは、「いつも」や「みんな」や「絶対」という言葉です。こういう決めつけ言葉使わないうようにしたいものです。