生物学者の池田清彦さんのお話
「生物学的には、人間の寿命ってせいぜい45歳から50歳なんだ。50歳を過ぎたら、あとは余分な人生。動物って普通は、繁殖年齢が終わったら死んでしまう。人間みたいに繁殖年齢が過ぎてから、倍ほども生きている動物はいないよ。女の人は50歳を過ぎたら、まず子供を産まないでしょう。<おばあさん仮説>というものがあって、孫の面倒をみて孫の生存率を上げる貢献をすれば、リスクを冒して子どもを産むより自分の遺伝子がたくさん残る、という仮説だ。
人間みたいに、孫が認識できる動物は長生きしても無駄じゃない。繁殖年齢を過ぎてから孫の面倒を見るイルカも長生きで、50~60年は生きるんじゃないかな。ゾウは60年~70年だね。シロナガスクジラは、もっと生きる。人間よりも長生きで、120年くらいだ」
保護者会では、どうしても子供に厳しくしてしまう…というお悩み相談に、おじいちゃん、おばあちゃんをイメージして接するとちょうどよく優しくなれますとお答えしたことがあります。(生物学的にも当たってたんですね。)
厳密に言えば、生命はずっと繋がっていて、38億年前に生まれた生命が、細胞分裂を繰り返して、我々が誕生しているわけだ。そうなると、僕たちは38億○○歳だよね。