□偉人伝などを見ても、だれもが大きな挫折に直面し、それでもめげずに粘り強さを発揮し、知恵を絞って、何とか乗り越えることで成功を勝ち取っていることがわかる。いわば失敗を糧にして這い上がっている。AIなどの発展により、これからますます先の読めない時代になっていく。予測不可能なのだから、失敗を避けることはできない。失敗しながら歩んでいくしかない。失敗を恐れていたら前進できないし、失敗にいちいちめげていたら身動きが取れなくなる。そんな時代に求められるのは、失敗への対処能力を高めること。そして失敗から学ぶことである。
□世の中にはものの言い方が乱暴な人もいれば、相手の気持ちを配慮できない人もいる。自分勝手でずうずうしい人もいる。たまたま上司や先輩、あるいは取引先担当者がそのような人物であることもある。そんな人物を相手にすれば、腹が立つのは当然だ。しかし、内心どんなに腹が立っても、何とか耐えて無難にやり取りができないと仕事にならない。昔からそのような人物はいくらでもいたはずだ。だが、そこで我慢できずにキレてしまったり、辞めてしまったりする者がこのところ増えているとしたら、やはりレジリエンスを高めようという子育てや教育がなされていないところに問題があるのは明らかだろう。
※レジリエンス=心の復元力のことで、嫌なことや大変なことがあって一時的に落ち込んでもすぐに立ち直る力のこと。
□レジリエンスが強い人
①自己肯定感が高く自己受容ができている。
②楽観的で未来を信頼している。
③忍耐強く、意志が強い。
④感情コントロール力がある。
⑤好奇心が強く、意欲的。
⑥創造的で洞察力がある。
⑦社交的で、他者を信頼している。
⑧責任感があり、自律的。
⑨柔軟性がある。
□夫婦がお互いに「お父さん」「お母さん」と呼び合ったり、祖父母がお互いに「じっちゃん」「ばっちゃん」と呼び合ったりするのも、子どもの目線を通して夫婦がお互いを呼び合っているのである。このような心理傾向をもつ私たち日本人は、子どもの立場に身を置き、子どもの気持ちに想像力を働かせながら、子供と遊ぶことに慣れている。日本の父親は、子供と遊ぶ能力が優れているという点についてもっと自信をもってもよいだろう。