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世界一貧しかった大統領

挫折

元ウルグアイ大統領ムヒカ氏の人生は波乱万丈でした。ムヒカは合計で四回、檻の中に入りました。三度目の逮捕のときは、抵抗して警官を脅したために銃弾を六発受け、瀕死の状態になりました。四度目の逮捕のときの独房には、換気扇も、トイレも、流しもマットレスも何もなかったため、ムヒカは、正気を失いました。床を這っていたアリに話しかけるようになり、精神錯乱状態になって軍病院に運ばれたといいます。二〇〇四年の終わりには、「血管炎」という重い病気にかかっています。

数学を勉強する意義

そんな彼だからこそ、一言ひとことが重いです。

□「挫折から起き上がること。人は生きているとかなりの回数の挫折を経験する。だが、そこから何度も何度も這い上がることが大切なんだよ。これが、私が若者につたえようとしてきたことなんだ」

□「戦う前から負けたと思うような連中を見ているとむかむかするんだ。勝ったことをひけらかす必要はないが、絶対に勝つと信じて前を向いて進み、人生に意味をあたえなければならん。それと同時に、完全に勝利することなんてできっこない。だって、人生みたいな複雑な現象に、どうやったら勝ったといえるんだい?」

□人生は未来だ。過去じゃない。だからといって、過去が存在しないと言っているわけではない。過去は確かに存在する。が、重要なのは未来なんだ。未来があるからこそ人間は過去を忘れることができる。いいや、忘れるんじゃないな。そんなに簡単に忘れられるものじゃないからね、これまでに起こったことをどうやって忘れろっていうんだ!重要なのは過去を乗り越えることなんだよ。

「最も深遠なヒューマニズムは、科学に由来している。結局のところ哲学と数学は姉妹のようなもので、哲学や科学がなければ人類はない。若いころは数学には関心がなかったが、生物学や哲学には非常に興味があった。数年前からは、幾何学を学んでいるんだが、これは素晴らしい学問だ。もうひとつ学んでいるのは統計学だ。必要にかられて数年前から学び直しているんだ。そうしないと、資料を渡されても何が何だかわからんからね。若いときに数学をきちんと勉強しなかったことを後悔しているよ。」

「一番素晴らしいのは人種間の交わりだ。民族浄化なんてナンセンスもいいところだ。ブラジルが一番いい例だ。ブラジルにはあるとあらゆる人種がいる。青い目をした金髪の黒人や、実に様々な人が住んでいる。そして、彼らは目を見張るほどの生きる意欲にあふれている。これこそ、人種の融合が成功した最高の例だよ。」

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