井上ひさしの作文教室(新潮文庫)
・作文の秘訣を一言でいえば、自分にしか書けないことを、だれにでもわかる文章で書くということだけなんですね。
・題名をつけるということで三分の1以上は、書いたということになります。
・悩みを書くとは、かなり血の出ることなんです。
・夏目漱石はロンドンでノイローゼになり、報告書を白紙で送ったため「夏目、狂えり」と噂がとんだ。
・川端康成の偉いところは、トンネルをくぐり抜けた瞬間から始めたこと。いきなり核心から入る。
・黒い目のきれいな女の子は、18通りの意味がある。
・スペイン語とポルトガル語は、東京弁と京都弁の違いしかない。
・日本語は擬声語、擬態語は豊富で、宮沢賢治はその名人。
・日本語を勉強すると、結局は助詞と助動詞に行きついてしまう。
・日本の国語教育は、まず、ものをよく見る。その見たことを、そのまま書くという仕事、これをしっかり教えなくてはならない。
・欠点をずばずば言って、いいところをおしまいにいう。日本人は、最初はほめて、最後に「でもさ」でけなして終わるから不愉快になる。
・人間は書くことを通じて考えをすすめていく生き物です。