私はのべ1万人以上の進路指導を担当しています。この経験値を超える人はそんなに多くないと自負しています。なかなか11月末でも志望校(併願パターン)が決められないという声もありますが、これからどこまで成績が伸びるかが読めないのと、午後入試も含めるとパターンが複雑怪奇なための2点の理由があり、むしろ自然だと思います。親は早く決めたいと焦る気持ちもありますが、この時点で決めたとしても同じ併願パターンでスムーズに2月まで行かない可能性も道中の前受け受験の結果や過去問の得点状況から十分に考えられます。11月時点では、経験上、迷う・焦るあまりというか迷う時点でネガティブ思考になっているので、結果として志望校を下げるケースが多いでしょう。その場合、やっぱり1月に本人が受けたいと言い出しても対策不足で良い結果が出ないことが予想されます。本人が、泣きながら受けさせてくれ!と懇願したら受験を止められるでしょうか?(さらに細かく心理分析をすると、親が安心する目的で併願パターンを決めたい場合は、「でもやっぱり受けたい」「でも心配」が無限にループするだけで、だいたい安心にはつながりません。残念ながら、時間の無駄に終わります。)
結論ですが、東京神奈川の場合、シンプルに考えると
2月1日と2日のどちらかでは○を取れるように組みたい(2日以降では、倍率と本人の体力と保護者の精神力が読みにくい。)この1点を守れば大丈夫です。○を取った時点で最後の日程までイケイケでいくと最高の結果につながることもあります。
という話を塾の保護者会では行います。中学受験は、難しく感じるだけに、時にシンプルに考えて行かないといけません。また、お子様の受験を十人以上経験しているケースは皆無でしょうから、専門家の意見を素直に聞こうとする心のゆとりは必要です。
蛇足かもしれませんが。
専門家の意見を・・・と書いておいて逆に思われるかもしれませんは、最終的に志望校を決める権利と責任があるのは「ご家庭」だと私は信念を持ってお伝えしたいと思います。少なくとも、講師の先生から「受験校を下げさせられた&少なくとも下げないで良いような努力を十分にしてくれなかったのに」というのは、断固反対です。講師とご家庭の上下関係は、講師が上でご家庭が下というのはあり得ません。基本的には逆が正解、理想は力関係なんか無視したチームです。