川崎にある「岡本太郎美術館」はおススメです。芸術家・岡本太郎さんは川崎市の出身でもあります。
「順番なんか、ボイコットしろ」
校庭に出る。
足の速い子、キャッチボールのうまい子、高く跳べる子は、
ひろい場所で自由自在だ。
けれどそうでないのは、隅っこに小さくなって、遠慮している。
ここでも「順位」だ。
教室と庭とでが、位置がたいてい逆になる。
かわいそうなのは、どっちにいってもミソッカスにされる多くの子たちだ。
お前はダメ、きみはダメというのを叩き込まれて、
やっぱりオレはダメなのかな、とついに思い知らされてしまう。
この世に生まれたときはだれでも、
自分と宇宙がまるでおなじ大きさのように、
のびのびとふくらんでいたのに。
しかも、卑劣にも家庭にまで通知して、身の置きどころをなくさせる。
家に帰ると、両親が口をトンがらせて、
「お前はダメだそうじゃないか」と怒鳴る。
親まで共謀して、みずみずしい人間性をスポイルさせ、劣等感を叩き込む。
順番なんて、人間の価値とはなんの関係もないんだ。
「孤独がきみを強くする」(岡本太郎・興陽館)
「幸福なんてこの世にはない」
ぼくは「幸福反対論者」だ。
幸福とは、自分に辛いことや心配なことがなにもなくて、
ぬくぬくと、安全な状態をいうんだ。
(中略)
僕は幸福という言葉は大嫌いだ。僕はその代わりに、「歓喜」という言葉を使う。
危険なこと、辛いこと、つまり死と対面し対決するとき、人間は燃え上がる。
それは生きがいであり、そのときに湧き起こるのが幸せではなくて「歓喜」なんだ。
「自分の中に毒をもて」(岡本太郎・青春出版)