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最後の瞬間に


1985年、524名を乗せた航空機が墜落する大事故がありました。悲惨な墜落現場からは、乗客が家族や友人に書き残した多くのメッセージが見つかりました。

「無念だ」

「どうしてこんな事故にあうんだ」

さらに、不思議なことに、

「幸せだった、感謝している」

「ありがとう」

「みんな仲良く暮らしてほしい」

などの感謝のメッセージが多く残されていました。

また、ご遺体も次々と発見されていきましたが、その中に男性が小さな子どもを抱きしめて亡くなっているのも見つかりました。とっさに「わが子の命だけでも」と抱きしめて守ろうとしたその姿は、『死を覚悟、一瞬の親心』という新聞の見出しで報道されて多くの人の涙を誘いました。ところが、3日後、その2人が親子ではないことがわかりました。小さい子どもの本当の親は、別の場所から発見されたのです。男性は自分の死を覚悟した瞬間でも、見ず知らずの子どもを必死で抱き寄せて、自分のふところで深く守ろうとしたのです。

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