オックスフォード大学のジョン・クレブス氏が定義したものです。
例えばテントウムシは、アブラムシを食べますが全部食い尽くすことはしません。適当に食いつくして、次の植物に移っていきます。食べ残されたアブラムシは、触覚で自分の仲間が少ないことを察知します。アブラムシのメスは、短期間で一気にたくさんの子どもを産む、あっという間に元の個体へと戻すことができます。このように、完璧を目指すことは自らの生命をおびやかすということを、動物や昆虫はすでに知っているのです。
私たち人間も、完璧とは程遠い生き物です。にもかかわらず、いつも完璧を目指しています。
親子関係や男女の関係にも同じことがいえて、不完全な生き物どうしが、互いに完璧を目指そうとするから行き違いやひずみが生じてきます。
ベストではなく、ベターを積み重ねる。
優れた作曲家の共通点
心理学者のディーン・キース・サイモントンは、創造的な能力と生産的な活力との間には、強い相関があることを発見しています。
サイモントンのデータによると、特別に優れた作曲家は、そこそこ優れた作曲家よりも高い率で特別に優れた曲を生み出しているのではなく、単に膨大な数の作品をつくっているだけなのだそうです。単に生産性が高いため、良い作品も生まれるということです。
才能というよりも、続ける力(そしてその力を付けようとすること)が大切。