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親が死ぬまでにしたいこと

「親が死ぬまでにしたい55のこと」(泰文堂)という本が、以前、ベストセラーになりました。

母子手帳

☆母子手帳を見せてもらいましょう。
……母子手帳の通信欄は、びっしり隙間なく埋められています。ぜんそくで発作を起こす私を抱え、暗い夜道を病院へと走ったこともあったそうです。母子手帳の隅にあったメモが「愛情の記録」です。「4月5日 熱38度 がんばれ!」「4月11日 熱下がる ヨカッタ」。一心に愛情を注ぎ私を育ててくれた母を思い、私はそばで寝ていたわが子を引き寄せました。今度は私が愛情を注ぐ番です。(30歳女性)

好きなところ

☆親の好きなところを10個書き出しましょう。

中学の頃から大学3年になる今まで、毎日、日記を書き続けている。その日記帳のはしっこにふと思いついた時、両親の好きなところを書く。親の好きなところを書く、だなんてそれだけじゃ親孝行とは違うかもしれない。
しかし僕は、親のことを一生懸命考えることは大事だと思う。ただ思うだけではなく、紙に書き出すと、両親がより身近に大切に思われてきて、こんな気持ちのお返しに何かしてあげたいな、と思うことも多い。
書き出すきっかけは、中学生になった年の誕生日に、両親が手紙をくれたことだった。『あなたの好きなところを記します。これからもいいところを大切に』と10項目が並んでいた。僕は、いつかそのお返しの手紙を送るのだ。

たぶん10項目では足りないと思うが。(21歳 男性)

プレゼント

☆自分の誕生日に親へプレゼントする

桜の咲く季節に私は生まれた。大学の近くを流れる川べりは桜の名所で、20歳の誕生日、満開の桜の下を歩いていたら、とても幸せな気持ちになった。あたたかくて、まぶしくて、いい香り。「生まれてきてよかったな~、私」心の底から、嬉しさがこみ上げてきた。そして、私から母へプレゼントを贈ることにした。
「ママへ 生んでくれてありがとう」
メッセージはカードに託して。(25歳女性)

お金

☆親が自分にかけたお金を計算する。

先日、両親を食事に誘った。発端は、これまで両親が自分を育てるのにどれぐらいのお金をかけてきたのかを考えてみたことだ。生まれてから、就職して独り立ちするまでにかかった総額。おそらく平均的な養育費を下回ることはないと思う。

子どものために、何かを切り詰めなければならないこともあると、この歳になって初めてわかる。着古された親父のシャツを恥ずかしく思っていた自分が、今更ながら言いようもなく情けなく思えてきたのが、食事に招待した理由だった。

これからは自分がお返しする番だ。(29歳 男性)

心配

☆親を心配させたことを聞く。

・私は生まれながらにして心臓の病気を抱え、生後3ヶ月で大手術を受けたそうですが、胸にかすかに残る傷跡以外には、生死をさまよった記憶はありません。

この歳になるまで、健康を当たり前のものと考えて育ち、そして生きてきました。命の尊さについて深く考えたことは、正直ありませんでした。それがどれほどありがたいことなのか、教えてくれたのは母でした。

あるとき母が差し出した、古びた小さな箱。その中に、私が忘れていた命の尊さが詰められていたのです。大事にしまってあったのは、古びた赤ちゃん用の小さな赤い靴でした。娘の命を奪いかねない大手術を前にして、藁にもすがる思いだった母は、病院の近くの店でその靴を買い求めたそうです。

私が元気になる日を約束してくれる、心の糧として。

「あなたの手術中も、この靴をずっと握り締めていたの、お守りみたいに」
そんな母の祈りが通じたのでしょう。手術は無事に成功。やがて誕生日を迎え、この靴を履いた私が、ヨチヨチと歩き始めたとき、母は涙が止まらなかったそうです。

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