平成26年初版の「弱くても勝てます」(新潮文庫・高橋秀実)を読んだ。中学受験で合格し、実際に開成の野球部で頑張った生徒のことを思い出しながら。久しぶりに読んだが、名言の宝庫であった。
弱くても勝てます(高橋秀実・新潮文庫)
・「苦手と下手は違うんです。苦手は自分でそう思っているということで、下手は客観的に見てそうだということ。僕の場合は苦手ではないけど下手なんです」
・「すごく練習して上手くなってもエラーすることはあります。逆に、下手でも地道に処理できることもある。1試合で各ポジションの選手が処理する打球は大体3〜8個。そのうち猛烈な守備練習の成果が生かされるような難しい打球は1つあるかないかです。我々はそのために少ない練習時間を割くわけにはいかないんです」
・「バッティングの練習時間が増えたので打力が落ちてしまいました。以前はバットを振る機会がものすごく限られていたんで、集中力があったのですが、今はなんとなくやっちゃっている感じなんです」
・「日常生活でも、いつもバッターボックスに立つような精神でいれば、きっといい結果が出るんだと思います」
・「俺たちは小賢しい野球、ちょっと上手いとかそんな野球はしない。自分たちのやりたいことを仕掛けて、そのやり方に相手を引っ張りこんでやっつける。俺たちは失敗するかもしれない。勝つこともあれば負けることもあるけど、勝つという可能性を高めるんだ!」
・「ウオーミングアップにしても、試合の準備ではなくウォーミングアップのためのウォーミングアップになってしまっている。相手がどう出てくるかと予想して対応する準備もできていない。そもそも自分自身の中で勝負事に対する気持ちの準備もできていない。守備にしても「俺のところに来い!」と打球を呼ぶくらいでないとダメなんです」
・「僕は練習はしすぎると良くないと思うんです。練習することが当たり前になって、『明日やればいいや』と考えて、集中力が欠けて意識が下がるようなきがするんです。練習試合にしてもあんまり多くやると、だんだん勝ちへのこだわりも薄れていきます」
・「練習という言葉は、同じことを繰り返して体得する、という意味です。しかし、うちの場合が十分に繰り返す時間もないし、体得も待っていられません。練習ではなく『実験と研究』が必要です」
・「生徒たちには『自分が主役』と思ってほしいんです。大人になってからの勝負は大胆にできません。だからこそ今なんです」
興味が出た方は、元気になれる本なのでお勧めします。
