女の子の味方
小説家 田辺聖子さんの恋愛論。いつの時代も変わらず「女の子の味方」として、小説やエッセイを書かれています。
□恋愛が苦手な人は、言葉数の手持ちが少ないんだと思う。
恋愛って言葉が大事だから、本をたくさん読んでほしい。言葉をいっぱい集めて、自分の舌でなんべんも転がしていくうちに、だんだんなじみのあるものになっていくから。もっとお口に油塗って、おしゃべりを楽しみあわないと。相手を少しでも気持ちよくさせてあげようって。
□私、男の人の最大の希望は「かまってほしい」ってことにあると思う。それを言いたいがために生きとンねん。大阪弁で言うと「かもてぇーな(かまってくれよ)」。
かわいいでしょ。
あたたかい文章です。
□でも、人生って、結局はささやかなものから成り立っていると思うのね。人が生きていくうえで一番大事なことは、いつも横にいる人と上手くいく――ということ。私はもっぱら、家族構造専門ですけど、家庭の出来事にも、目には見えない人間の大きな意味があると思うんです。