膵臓がんで闘病されている森永卓郎さんのお話
「自分が当事者になって初めて気づいたのは、『これをやれば一発でがんが消える』といった怪しい方法論が、世の中に相当多くあるということです。たまたま病気になった、という柔軟性がないと、こうしたメソッドに縋りたくなる。裏を返せば、多い通りにならない現実の前で、打たれ弱くなるのだと思います。私は打たれ強い方だと思いますが、それは受験でも仕事でも失敗ばかりして『人生というのはそういうものなんだ』という経験を、これでもかというくらい積み重ねてきたからではないでしょうか。それで、「ああ、ダメなんだ」と思ったら、さっと引いて、すぐに挑戦するメンタルが備わったのだと思います」