グローバルとローカル

中学受験の悩みを大きくふたつに分けると、①「どの学校を受験しようか？」と②「どうやったら成績が伸びるか？」の二つです。①については、私はこんな話をします。「私は九州出身で大学まで福岡にいました。今は私立も増えていますが、私の小学生時代は福岡だと久留米大附設、寮生活も良いなら鹿児島のラサール、勉強が超できるのなら灘中学とこんな感じでした。また、通学時間は何分ぐらいが受験校として良いのでしょうか？とご質問されることもあるのですが、首都圏のように鉄道が網の目のようにあるわけはないので、バス通学はもちろん自転車通学と言うのが普通でした」

つまり、「どの学校を受験しようか？」というのは、ある種、贅沢な悩みでもあるのです。その中から、自分のあっている学校を探せる環境は、全国的に見ても当たり前ではありません。

学校の先生からのメッセージ

「海外に目を向けるだけではなく、地方にも目を向けてほしいですね。例えば地方の女の子が大学進学のために東京に出てくることは、いまだにそれだけで大変なことです。首都圏の私立の女子校に通う生徒たちが当たり前に与えられている教育環境は、日本国内だけを見ても当たり前ではありません。また、首都圏では「普通」と言われている考え方が、地方では通用しないことだって結構あります。同じ日本であっても多様な価値観があると言うことなんです。そのことを自覚してほしい」