精神科医でもある斎藤茂太さんの言葉です。
『大きくても30センチほどのヤマメと、その倍もあるサクラマスが、もともとは同じ魚だということをご存知ですか?川の生存競争に敗れたヤマメの一部が、餌を求めて海へと下り、餌が豊富な海を回遊するうちに大型化したのがサクラマスなんだそうです。
そのときは負けたように思えても、自分で自分に見切りをつけなければ、人生に「負け」なんてものは存在しません。人と競うのではなく、できることから少しずつ努力を重ね、昨日の自分よりちょっとだけでも成長しようと心がける。そうすれば、いつの間にか、サクラマスのようにグーンと大きくなっているはずですよ。』
ここまで受験をあきらめずに、見切りをつけずに頑張り続けた受験生のみなさんは、
すでに勝ち!
サクラマス。
サクラ咲く=合格ですので、縁起もいいなあと思います。
骨を折る
「望遠鏡から見た世界」(朝日文庫・河合雅雄)を読みました。(昨年の日本大学中学の入試問題の出典でもあります)
私が読んで驚いた内容が、
「骨折の経験のある子どもは、高校男子ではなんと半分を超えるという。私らの子どものころには考えもしなかった異常事態である。栄養の問題だという見解が強いが、見当違いもはなはだしい。戦前戦中に比べれば、現在はむしろ栄養過多といってよい。その原因は、危険に対する無知にあるのだ」
子どもたちを取り巻く環境が人工化し、小さな部屋に安全に閉じ込められて親の強い管理化におかれているという状況は、まさに子どもは飼育され、家畜化が促進していることを示していると、河合さんは語ります。さらに、自分で生きる力を減少させられた子供たちは、危険に対する防衛反応の低下とともに、脳さえ低質化する可能性をはらんでいると分析しています。
可愛い子には旅をさせよ、という言葉があります。
子孫に美田を残さず、という言葉もあります。
生徒たちは、この一生に一回しかない中学受験を通して、たくましくなってくれると信じています。