走る哲学者ともよばれている為末大さん。400mでシドニー、アテネ、北京オリンピックに出場されています。
「スランプの時、自信がない時、人は後から考えると驚くほど近視眼的になっている。人の言葉に左右されたり、ふらっと何かを妄信してしまうのもこの時期。辛い時期に、こうだと答えらしきものを言い切ってくれるものに人は弱い。でも直接的に人が答えをくれることはない」
「僕の知っている範囲で、スランプに耐えて抜け出た選手のほとんどが持っている要素は、楽天性。なるようになるしかないさという、どこか他人事のような軽さがありから、迷路に入り込んでしまいそうになる時にふっと顔を上げて遠くを見渡す事ができるんじゃないかと思う」
「一番ひどいスランプの時に、子どもの頃走ったグラウンドに行って、そもそもなんで走っているのかを思い出した経験がある。楽しんでいるかい?ふと自分にそう問いかけるような事すら、人は忘れている。原点に触れるという事が僕にとっては大事だった」
「アスリートがスランプの時、メンタルトレーナーはメンタルに問題があると言い、栄養士は食事に問題があると言い、整体師は身体のバランスが悪いと言う。これも真実」