ダブルバインドコミュニケーションとは、言葉では「あなたの好きなようにしなさい」と言いながらも「私を満足させるようにやりなさい」と本心をにじませるようにコミュニケーションのこと。いわゆる「表面的に優しい親」に多いパターンだ。それに対し、一昔前の俗にいう「頑固親父」は、良くも悪くも裏表のないシングルバインドなコミュニケーションをとっていた。
無口になる
・「人は他者に評価されるもの」、つまり、どんなに自分がよいと思っても他人が不愉快に思えば、その仲間に入れてもらえないということも、大切な身だしなみの一つとして話されるのも良いでしょう。ただ、子どもにとって元気なことはとてもよいことです。元気な子どもに社会性を身につけさせることよりも、おとなしい子どもを元気に育てることのほうが難しいと思います。
・多くの生徒を見ていて約束や時間を守れる人は、他人から信頼されるだけではなく、自分でやろうと決めたことのできる人になっているようにも思います。
・無口になるということは、子どもの成長に必要なことです。自己嫌悪におちいったり、無口になって自己の試行錯誤を重ねるうちに、人との触れ合いの中で自分でできること、できないことを考え、行動しながら少しずつ自己形成していくのです。子どもにだって、大人と同じように人に見えない、秘めた部分がなければならないのです。
・最近の若者の行動は、役者が出演の準備をする楽屋と舞台の区別がつかなくなっているのだと同じだといってもよいと思います。だから、意識の切り替えができずに、いつも内輪のことが公開されていて心の休まる時間のない生活になってしまい、精神的にも疲れてしまうのではないかと思うのです。やはり、人間には休憩をとる「私」の場と社会人として生活する「公」の場の区別が必要だと思うのです。
・社会生活は思うようにいかないということ、苦しいということ、我慢しなければならな
いということ、社会には危険なことがたくさんあるということを、できるだけ早く子どもたちに教える必要があると思うのです。
元浅野中学校長の淡路雅夫先生から、「思春期の男の子の育て方(中経文庫)」と本をいただきました。その中から気になるフレーズを抜き出しました。