・「心は乱れやすい」と、お釈迦さまは仏典の中で何度も繰り返しています。仕事机や、自宅の部屋と同じです。心も知らず知らずのうちに、突発するトラブルにかき乱され、過剰な情報に振り回され、ストレスの塵が積もり、冷静ではいられない状態となっていきます。ですから定期的に「心を整える」必要が出てきます。
・人は突っ走っているとき、前しか見ていません。周囲の状況は目に入っていません。自分自身の状況についても見えていません。滑車を回すネズミのように走り回っているだけで、それほど捗っていない場合もあります。ですが、走るのに懸命になっていると、実は停滞しているのに気づきません。なぜ思ようになっていないか、状況分析する余裕もありません、だから、しばし何もしない、ボーッとする時間を作ってほしいところです。1日の中で、十分でも五分でもいいと思います。手と足を止め、頭の中も空白にしてみてください。自分自身に向かい合う時間となります。
・「禅の庭」の特徴は、枯山水です。あるのは石と砂だけ、よけいなものは一切ありません。しかし、石の配置と、砂の模様によって深山渓谷、清流のせせらぎ、世界、宇宙といったおのまで表現しています。「何かがある」からではなく、「何もない」から、広いイメージが喚起され、深い世界へと、心が解き放たれていきます。