後ろ姿で人を導けと言われている。しかし、親と教師は、後ろ姿だけでなく、真正面の顔、また横顔でも子供たちを導かなくてはならない。
「真正面の顔」とは、叱るべきは叱り、教えるべきは教えると言う毅然とした態度である。おもねない姿と言っても良い。
「横顔」が意味するものは、親や教師の日常生活の態度である。自分が真正面きって言ったことが、おのれの生活の中で実践されているかどうかということである。「友達と仲良くしなさい」と言いながら、自分は他人の悪口を言っていないか、「勉強しなさい」と叱りながら、自分はスマホをずっといじっていないか。子供たちは、そっと横顔を見ている。
三つ目の「後ろ姿」で人を導くと言うこと、これは最も難しく、それゆえに最も効果のある教育であろう。真正面も横顔もある程度、取り繕えるが、後ろ姿ばかりは、そうはいかない。そこで問われるのは、その人の全てであり、心に抱く思いだからである。