・保護者の方がしっかりと志望校の適性検査を(簡単でも構わないので)目を通されて、ご自身が高校受験や大学受験で経験した知識重視型の問題とどう違うのか、把握しておくと方針も立てやすいでしょう。「そんなことはやる暇もないし、必要ないのでは?」というお気持ちも十分にわかります。しかし、その気持ちにいったん蓋をしてみてください。お子さんはもっと不安な状態で、勉強を進めています。中学受験の伴走の秘訣は、勉強を教えるとかスケジュール管理を手伝うと言うよりも「お子さんの気持ちによりそうこと」が最重要です。少しでも問題を知っていると「こんな問題が解けるのはすごいなあ」と自然と褒め言葉が出てくるのも大きなメリットです。逆に言えば、精神的に大人びた生徒の場合は、「うるさいこと言うけど、お母さん(お父さん)は、この問題解けんのかよ!」と心の中で思っていることもあると思います。それでは、アドバイスや注意が心に届かない可能性大です。子どもを追い詰めすぎると、「受験しない」と言い出したり、宿題を誤魔化したり、カンニングしたりと言うような行動に出ることも考えられます。
理想的なのは、解けない問題に悪戦苦闘している場合に、出来ではなくその姿勢を褒めてあげることです。「なぜ解けないんだ。これでは合格しない」というマイナスの気持ちではなく、「こんな難しい問題によくチャレンジできているなあ」とプラスの気持ちで接する事で、子どものモチベーションの維持が可能になります。
・適性検査については、考えようによっては複数の答えがある問題、ひらめかめかない限り、いくらでも時間がかかってしまいそうな問題があります。また、科目横断型の作りをしているので、当な慣れがないと合格点を取るのは至難の技でしょう。また、急な傾向の変化がよく起こるので注意が必要です。私立中学の場合は、問題の急な変更は翌年の募集に影響が出るので避けますが、公立中高一貫校の場合は学習指導要領の変更などの影響が出やすいのが特徴です(ただし、残念ながら問題形式の変更までは読めません)。
・公立中高一貫校はどの学校も「次代を担うリーダーを育成したい」と言う視点を持っています。「新書」(岩波新書・岩波ジュニア新書・ちくま新書・ちくまプリマー新書)などを読んでいると強いと思います。しかし、ただ読めと言っても難しいと思いますので、お子さんの興味のあるものから読み始めれば良いかと思います。無理やり読ませても、面白いわけはありません。
・算数の対策で必須なのは2点です。
- 計算力(統計資料からの出題が多いので、4桁以上、小数点ありのものが多い)
- 図形(サイコロや折り紙などが、題材として出されます)