見えている世界が狭い子供のうちは、人生を小さな因果関係で捉えています。それが成長につれて変わっていきます。努力してもダメだった、不運が重なった、と言うような様々な諦めの体験を経て、人生にはどうしようもないことがあると、少しずつ学んでいくのです。「努力すれば成功する」という単純な因果関係の中から出ずに真っ直ぐの育った若者が、社会的な弱者に対して極端な自己責任論を振りかざすのは、諦めの体験があまりに少ないからでしょう。
人生は、自分の力ではどうしようもない悲しみに襲われることがあります。
そのために、文学を含めた芸術があるのでしょう。
