・僕は5年生の9月に入塾した。成績はずっと下位だったが、6年の秋に初めて算数だけ成績が良かった。なんとなく算数は自分の得意教科なのかと思い始めた。でも勉強は実はそんなに好きではなかった。塾にいる時は授業に集中していたけど、家に帰るとゲームに熱中し、テレビも必ず見た。うちではお父さんが僕の受験にとても熱心なので、僕の休憩が長いといつも「もう今日はやらないのか」と言った。いつも言われて、正直とても嫌だったけれど、一番レベルの高い中学に入りたくて頑張った。入試本番では、10回受けて4勝6敗。第一志望校には合格できなかった。でもやるだけやったし、第二志望校に入学を決めた。その入学手続きの帰りの電車内。第一志望校から繰り上げの電話をいただいた。信じられなかったけど、後から実感が湧いてきた。
・私がベッドに入って寝ようとしている時、父と母が私のことで相談をしている声が聞こえてきた。普段は怒りっぽい父が、「この子は最後には結果を出せる子だ。志望校も本人の行きたい学校で良い。信じていこう」と言っていた。負けられないと思った。
・偉そうなことを言っている割に勉強の手を抜いているような様子への苛立ち、外部模試での失敗、それを跳ね除けた子供を誇りに思う。
・学校には一緒に行きましたが、娘から「落ちているかもしれないから校門で待っていて、1分待ったら来て」と言われたので校門で待っていました。しかし、1分も経たないうちに娘が走ってきました。半分泣き顔で。一瞬「だめだった?」と思いましたが、よく見たら嬉し泣き。今まで見たことのないくらいの最高の笑顔の泣き顔でした。子供は赤ちゃんのうちに微笑みで一生分の親孝行をするという話を聞いたことがありますが、またその親孝行の微笑みをもらった気分でした。お母さんは、あの笑顔でこれからも頑張れるよ。
・合格発表から約1ヶ月、今もあの喜びと感動の熱が冷めず、夢見心地な日々を過ごしております。あの4日間の記憶は今も鮮明で、永く忘れることはないでしょう。中学受験は、息子が初めて体験する本気とその結果であり、家族一丸となって最後のイベントとなりました。合格の掲示板の前で目を赤くし、涙を堪える息子。幼かった息子が本気の嬉し涙を知ったこの瞬間こそが、私たちの1番の宝物です。
・2月5日、娘にとって最終受験日であり、憧れ続けてきた第一志望への最終トライの日でした。今でも脳裏に焼き付いています。受験会場から出てきた娘のホッとしたような柔らかい笑顔。そして、「受験をさせてくれてありがとうございました」の言葉。私は溢れる涙を必死に堪えて「今ここにいるのは、あなたの努力の証だよ」と娘に笑顔で答えました。そして、この入試期間中に、大きく成長したなと思いました。5年生の夏期講習から入塾し、最初の授業を終えた娘の感想は「宇宙にいるみたいだった」でした。最後の合格発表の日、娘が宇宙で光り輝く星の一つになれました。本当にありがとうございました。
・入試100日前頃から大スランプに。不安やプレッシャー、ひどい頭痛に苦しみ、成果の見えない中でもがきながら、それでも「力は確実についている」という先生の言葉を支えに、息子は立ち止まることなく机に向かい続けました。彼のどこにそんな強さがあったのかと、正直驚きました。課題をこなす中でこだわったのは、わからないままにしないというシンプルなことでした。結果的にこれが彼の底力となりました。聖光学院合格の報告に行った際、息子はお礼もそこそこに解けなかった問題を質問。もういいんじゃない?と半分呆れつつ、この姿勢が奇跡の全勝を呼んだと強く思いました。