経験の浅いパイロットは、飛行中に異常が見つかったら、「大変だ!」と慌てて何らかの対処策を講じようとします。特に急降下をするなど、普段しない操縦をするそうです。高度を下げておけば、万が一のときに不時着ができるかもしれないという本能なのでしょうが、かえって事故の確率を高めてしまいかねません。
経験を積んだパイロットは、慌てて行動に移すのではなく、しばらくはそのまま飛び続けるといいます。その間、思考を集中させ、現状を分析し、原因を考えます。そして、これが答えだと確信が持てたら、そこで初めて行動に移すのだそうです。ベテランのパイロットは、原因がわからないま闇雲に対処してしまえば、かえって事故のリスクを高めることがよく分かっているのです。
模試が返却されたときに、よくよく分析もせずに、大騒ぎしてしまうのもよくありません。
一呼吸おいて、冷静に状況を判断するというのが大人の役目です。