最近では、相手が言いよどんだ隙に「はい、論破」と言い放ったりする子も2022年頃から目立つ。深い意図や悪意はなく、本人たちはかっこいいと思ってやっているようだが、そういうことを口にする生徒には、塾では注意を入れるようにしている。思わぬ友人間のトラブルにも巻き込まれかねない。(少し前に流行った「それってあなたの感想ですよね?」も論客として知られるひろゆきさんが使う言葉として知られている。)
青山学院大教授で小児精神科医の古荘純一さんによると、小学校低学年から思春期前までくらいの子どもはこれまで、「お前の母ちゃん、○○○」など、友達や大人との言い合いを楽しみながら社会性を身につけてきたという。一方で、最近の「論破」は従来のような言い合いによるコミュニケーションではなく、やり取りを遮断する点が特徴だとする。一因として、「自分の価値を認める『自己肯定感』の低さがあるのでは」という説もある。
「子どもは社会の鏡。『論破』に夢中になっている大人をまねている」と指摘するのは、社会批評を中心に執筆する作家の物江潤さん。例えば、最近の選挙戦では、候補者が相手を論破するような様子が短い「切り抜き動画」となってネット上で拡散され、それが支持される。「短い言葉で分かりやすく、相手より優位に立ったように見せるパフォーマンス的な言動が好まれている」と分析する。子どもとの接し方についても、村上さんは「例えば、大人はしゃべらず待つ。時間をかけ、子どもの話を聞くという姿勢が求められるのではないか」と話している。
本当にその通りだと思います。
そして、反抗期を迎える小学生時代のしつけこそ重要です。
