帰国生といえば、発信力があり、自己主張が強いと見なされることが多い。しかし、帰国生が本当の意味で優れているのは、他者を認める受容力である。うちの塾は国語塾であることから、帰国子女の生徒さんも多いが小学生でもその傾向には間違いがないと実感している。
帰国生の多くは欧米の伝統的な個人主義の影響を受けて育っている。人種も、宗教も、思想も違う人たちの中で生きていくためには、もちろん自己主張は大切だ。ただその、自己主張をするためには、相手も尊重することが必要だという大前提がある。他者を尊重する姿勢があって初めて自分の主張が聞いてもらえる。そうした中で子供時代を過ごしてきたからこそ、帰国生は自分とは異質なものに対する許容度が一般生よりはるかに高い。
自分はありのままの自分でいたい、だからあなたもありのままでいいよ、という姿勢。
帰国生の受け入れのある学校は、同一性を好む傾向の中で生きてきた日本人の生徒も「過ごしやすい環境」となっている。(だから、英語力の向上だけを切り口にした塾の分析なんかよく分かっていない証拠。私は、常々保護者と生徒の学校選びの奥深さを舐めるなと言っている。)
うちの子が受ける学校は帰国入試やっていないんだけど(特に男子校に多い)・・という方もご心配なく。「帰国生がいるかどうか」ではなく、「異質なものを認め合う校風が醸成されているかどうか」がポイントということで。
