教育書の読みかた

・私立中学では、面接試験で「あなたの尊敬できる人はいますか。」という質問がなされていました。（今は、面接そのものをやる学校がかなり少なくなりました）。「尊敬できる人はいません」と答えた生徒がいたら、その子どもは、他人を批判的な目で見るようになっているか、純粋な心を失っているか、人間自体を嫌いかのいずれかだと思あれます。まだまだ、これから長い人生を歩いていく１０代後半で、尊敬できる人を持っていない、尊敬する人を見つける目を持っていないのは悲しいことです。人を尊敬できる人は、人からも尊敬されます。クラスのみんなから好かれている子どもは、たいていクラスのみんなを好きな子どもです。

・育児書や教育書などは、教育の専門家が言っていることですから、間違いではありません。しかし、平均的な発達はこうだ、一般的にはこうこうだという観点から書かれているのですから、全てが自分の子どもに当てはまるとは限らないのです。子どもを本のとおりに育てようとしても、それは不可能なことです。本に子どもを合わせようとするから、子育てが楽しみではなく、苦しみになってしまうのです。そして、子どもが嫌いになったり、自分には母性愛がないのではないかと悩んだり、自分を好きになれなくなったりするのです。また、いつもお母さん（お父さん）に、「こんなはずではなかった」「うちの子はどうしてできないのかしら」と否定的に思われている子どもが、自分に自信を持てるはずがありません。自信を持てない子どもから、やる気を引き出すのは難しいでしょう。