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中学受験国語専門塾です

数字の呪縛から逃れる

松村圭一郎(文化人類学者)さんのお話

・学校や塾、大学受験は「数字」によって評価をしますが、この評価が社会でも同じとは限らないということです。学校の先生は一律の基準で評価をしなければならない立場ですから、「テストの点数は低くてもいいですよ」「私はこの絵を良いと思わないけど、他の人は良いと思うかもしれない」とは言えません。

高校受験や大学受験の入試問題も同様です。採点する人によって合否が異なってしまわない用に、可能な限り単純な仕組みをつくって受験生を序列化します。だから、正解・不正解が明確な問題や答えが一つしかない問題しか出すことができないのです。でも現実世界には、正解が一つの問題なんて、ほとんどありません。そういう意味でのテストの点数は、あくまで特殊なルールのもとでの「仮のもの」に過ぎないのです。

このように、学校群制度は大きな矛盾を孕んでいます。思想家のイヴァン・イリイチは「学校は、落ちこぼれを作り出す装置だ」と言っています。テストは、仕組み上、全員が100点を取れるものであっては意味がない。だとすれば、どんなテストも必然的に「できない人」を作り出すことになります。常に「できる人」でいられる人は少数です。100人いたら、トップ10人が偏差値の高い高校に進学する。そのなかで、さらにトップの人が偏差値の高い大学に進学して・・・ということが起こります。このシステムでは、結局、大半の人が「できない」(=「あなたより優れた人がいる」)というレッテルを貼られていくのです。

上記のことは、しっかりと考えておく必要があります。

だから、褒める・認めるという「そばにいる人にしかできない行為」が大切だと思います。

mathematical equation written on blackboard
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