江戸時代の町人(商人)の教育観として、こういう言葉があります。
『三つ心、六つ躾、九つ言葉、文十二、理(ことわり)十五で末決まる』
3歳までに、愛情を注いで、思いやりのある優しい子に育てよう。6歳までに挨拶やはしの持ち方などの一通りの躾(しつけ)を済ませておこう。9歳までには、大人にも失礼でない言葉遣いができるようにしておこう。そして、12歳までに商人として、納品書、請求書や手紙の書き方を覚えておこう。15歳までには、物事の道理が理解できるようにしておこう。そうしないと、一人前にはなれないぞ。という教えです。
今とは、平均寿命や社会に出る年齢も今とは違いますが、12歳まで(小学生のうち)の教育が必要、不可欠であるというのは変わらないと思います。
12歳までに、学力の基礎を固めましょう。
学力の基礎とは、知識だけではなく勉強の仕方も含めた広い基礎です。
ヒロインとヒーロー
主人公は、子供たちです。
「仏様の指」というお話があります。
男がいました。その男はたくさんの荷物を載せた車を引いていました。ところが、しばらく行くと車がぬかるみにはまってしまいました。いくら動かそうと力を振り絞っても、どうしても抜け出すことができません。立ち往生して困っている男の様子を、仏様が空からしばらく見ていらっしゃいましたが、その後、指でちょっとその車にお触れになりました。その瞬間、車はそっとぬかるみから抜けだすことができました。男は、仏様の指が手伝ってくれたことを感じることはありませんでしたし、これからも永遠に知ることはありません。自分が努力した結果で、車をぬかるみから出せたのだ、という自信と喜びを得ることができて、笑顔で車を引いて去っていきました。