地球温暖化によって、夏は昔と比べてずいぶん暑くなりました。私の小学校時代には、まだクーラーがなく(もちろん学校にも)、自宅にクーラーが設置されたのは中学生になってからでした。江戸時代より前の人は、扇風機さえない中での生活をしていたのだから、大変だったと思います。そんな中、日本人は風鈴などの音で涼を得ていたことを考えると、なんと豊かな感受性を持っていたのだと感動します。平安時代の人が、アジサイの花を見て<紫陽花>という漢字をあてたこと、牛のつのをもとにした<蝸牛>やヒトデを<海星>としたことも素晴らしい。(漢字って、楽しいんです。また、別の機会にでも。)
<涼しさや 直ぐに野松の 枝の形 松尾芭蕉>
どこかの家へ呼ばれていった。するとそこに庭がある。庭には塀がなく、外の松原に続いている。すずしい海風が、家の中に吹き込んでくるような、いかにも涼しげな俳句です。
有名な夏の俳句
<夏河を 越すうれしさよ 手に草履 与謝蕪村>
<夏嵐 机上の白紙 飛び尽くす 正岡子規>
<夏の蝶 日かげ日なたと 飛びにけり 高浜虚子>
<匙なめて 童たのしも 夏氷 山口誓子>
<跳躍台 人なしプール 真青なり 水原秋桜子>
さだまさし
さだまさしさんの語録です。
□淀川長治氏の言葉。「僕はね、生まれてきて嬉しかったの。だからね、僕のお誕生日はね、僕を産んでくれた母を一日中思って過ごすことにしているの。」胸に残る言葉だった。自分の誕生日は母に感謝をする日なのだ、と。
□親の一番大切な仕事は、子どもを愛することと、それを子どもに伝えること。
□対話というのは対等に話すこと。きちんと向き合って話すことから世の中を変えよう。
□暗さというのは、自分の思いや情熱が心の中に充満している状態のことで、明るさはその逆に、発散している状態のこと。つまり、暗さの中から、何かが生まれてくる。子どもを産むときに「ヤッホー」なんて明るく産む人、いないでしょう。苦しみの中から、赤ちゃんが生まれてくるのと同じ。暗い苦しみの中から、希望は生まれてくる。
□コスモスは変な花です。梅にしろマーガレットにしろ、群れるときは同一色。ところがコスモスは、したたかに群れあった個々が、別の色をしている。これが魅力。ふと、花も人間も同じだと思ったりするのと同じ。群れのなかでも一輪を主張し、一輪そのものが群れを支える。自分もそうありたいもの。
□人のうわさで人を斬らない。自分の目と耳で判断すること。
□ゲンジボタルには、浪人する幼虫がいる。もう1年、水のなかでじっと栄養を蓄えて待つ。そしてやがて来年の夏には成虫になる。成虫になってからの平均寿命、たった14日間の「大人」になるために二年・七百二十余日の「浪人」をじっと辛抱する虫がいる。人間ほど「成虫」になって長い生き物はないのだから、「浪人」諸君、焦るな、ホタルを見よと伝えてほしい。
□生き続けることは、愛する人々を途中で亡くし、その生命の分まで一緒に生きること。生きることは壮絶なことなのだ。
□「あと一歩だけ」が自分を支え、家を支え、この国を支えてきた。
「親父の一番長い日」は、家族をテーマにした名曲です。
あるテレビ番組では、映画の中では曲が長い(6分台)とされた「ボヘミアン・ラプソディ」の倍もあるよ、とさだまさしさん自身が言っていました。