ひとりで勉強するのを独学という。学校や塾へ行かず、独力で知識を身につけるのはたいへんな苦労を伴う。いまから230年前、スコットランドはエディンバラに月光会を名乗る会合があった。月1回、満月の夜に集まったところからこの名が生まれた。遠くの人は単身馬に乗ってやってくる。会するもの、蒸気機関で有名なジェイムズ・ワットをはじめ、酸素の発見者ジョゼフ・プリーストリー、ガス灯の発明者ウィリアム・マードック、印刷業者バスカヴィルなどそうそうたるメンバーで、中心的存在はエラズマス・ダーウィンであった。進化論のチャールズ・ダーウィンの祖父で、名医の誉れが高かった。いくら天才的能力をもっていても、独力でそれぞれの偉業が生まれたかどうか疑問である。やはり、気心の知れた、互いに畏敬する仲間とともにいたことが、すばらしい発想のきっかけになったのである。
フリーター
「自分は言われたことをやるだけのした働きだから気が楽。時間も自由になる」とフリーターというかたちの働きが増えているが、責任がなくて楽だと思っていたら大間違いで、受身で仕事をこなしていくだけのほうが実は疲れるのだ。では、疲れず、予測を立てられる仕事の仕方をするのはどうしたらいいか。一つは自分が主体的にプランを立て、指令を出す側の立場になること。もう一つは、プランを立てる立場にはなくても、主体的に仕事に臨む姿勢を持つことだ。」
斉藤孝さんの言葉です。
受験勉強も同じ。自分でやれるかどうか?
サイコロ
気象大学講師、増原良彦さんのお話
大学で授業をやっていると、増原さんのところに大学生が身の上相談にやってきます。なかでも多いのが、大学をやめて、他の大学に入りたいという相談。
「やめたほうがいいでしょうか?それとも、やめずに頑張るべきでしょうか?」
「ほんとうに迷っているの?」
「ええ、どちらがいいか、わからないので・・」
「じゃあね、サイコロを振って決めるといい。奇数はやめる。偶数だとやめない」
そう言うと、たいていの学生は怒り出すといいます。
増原さんの真意はこうです。
人生の問題に正解があると、どうして信じ込んでいるのか?どんな人と結婚したらいいか、やめるべきか、そんなこと、だれにもわかるわけがない。それなのに、最近の学生は、どちらが正解かと、彼らは考えてしまう。学校のテストにいつも正解があるものだから、人生の問題にも、正解が「1つ」あると信じ込んでいる。大変、馬鹿げたことだ。