リサ・フェルドマン・パレットの報告に夜と、人は往々にして、自分が不安なのか憂鬱なのかを明確に区別できないと言います。「不安と憂鬱って同じなのでは?」と思う人も多いと思いますが、自分の心の状態に対する解像度が低い人ほど、精神疾患にかかりやすいという報告もあります。赤ちゃんは、空腹の不快感とオムツが汚れている時の不快感を区別できずにただ泣き喚くだけです。自分の気持ちを言語化できるようになってきた幼児が、時に癇癪を起こして喚き立てるのは、気持ちにぴったりの言語化ができないことに対する苛立ち非認知だという説もあります。
ある心理カウンセラーは、自分がやっているのはクライエントの気持ちの交通整理でしかないという主旨のことを言っていました。大人であっても自分の気持ちをうまく言語化できなくて、ストレスを溜めているのかも知れません。
最近は、大学入試に関しても現代文の出題がなくなって来つつあります。気持ちを理解し言語化するという読解演習・記述練習を行う、中学受験の学習の機会は超貴重なのかも知れません。