和田秀樹さんに、前職のときに講演会に来ていただいたことがあります。保護者向けの会でしたが、内容は素晴らしいものでした。和田さんの書かれた「感情的にならない本」を読みましたが、社会人向けなのですが、受験にもかかわる内容でした。
□わたしたちは、できないと思っていたことがいつの間にかできるようになる。入社したてのころは、上司や先輩の難しい議論を聞くと「あんな論理的な話し方ができるだろうか」と思い、クライアントのクレームを巧みに処理するベテラン社員を見て、「すごい!この人の肝っ玉はどうなってるんだ」と感動したもの。でも、入社5年、10年と経ってみると、いつの間にかあなたも同じことを、平気でやっている。できるようになっている。でも、それは、ただたんにキャリアを重ねただけではない。「おまえ、ひとりで処理してみろ」「こんどのプレゼンは任せた」・・そういわれて、内心はビビりながらも腹を決めてぶつかることで乗り越えてきたはず。
□子供が自転車に乗れるようになることと同じ。補助輪がついている、親が支えてくれる、そういう時期がどんなに続いても、ただそれだけでは自転車に乗れない。あるとき、「ほら、もう大丈夫だ」といわれて、怖いけど思い切って踏み出したときはじめて「乗れた!」と喜ぶ。そういう度胸試しの体験が大人になるとしだいに減ってきた。動かなくなる、シミュレーションばかりするというのも、早い話が臆病になっているから。人生はいくつになっても小さな度胸試しの繰り返しであり、そのたびに世界が広がっていくもの。気軽に動くひとはいくつになっても、この「小さな度胸試し」を楽しんでいる人なのではないだろうか。
思い込みの怖さ
「年齢が上がったら記憶力が悪くなる」という説があります。
でも、それは思い込みの怖さも関連していて、同じテストを「記憶力のテスト」だと伝えてから高年齢の人にテストをやると低い点数になりますが、他のテストだと伝えておくと若い人との点数差があまり開かないというデータがあります。
登山家たちのことば
・行動を起こすから、その先に何かが生まれる。変化は突然ではなく、小さな努力から生まれるんです。(野口健)
・一歩を踏み出せるなら、もう一歩を踏み出せる。(トッド=スキナー)
・ここはディズニーランドではないのだ。(作者不詳)
・なぜ山に登るのか。その問いに答えてはならない。とにかく登りに行け。とにかく登りに行け。
この言葉は受験直前に迷いが出たときに覚えていてほしいもの。そのことをする理由やきっかけが何かを考えて集中力を失うより、行動する場にこそ答えはあるかも知れません。
・あきらめないこと。どんな事態に直面してもあきらめないこと。結局、私のしたことは、それだけのことだったのかも知れない。(植村直己・私たちの世代には懐かしい)
・私は思い出より憧れのほうが好きだ。(ガストン=レビュファ)
・朝起きてオハヨウと大きな声であいさつするパーティは、事故を起こさない。(湯浅道男)
最後の言葉。コミュニケーションをきちんと取る、小さなことに手を抜かない、節目を大切にするというのは、どんなときにも鉄則。