時代の主流がオランダ語から英語に移ったことを知った福沢諭吉は、一旦は絶望したが洋楽者として生きていくには英語を知らなければならないとなり、「一切万事英語」と決めて学習に取り組んだ。
しかし「福翁自伝」の中には、<蘭学を捨てて、数年間の勉強の結果を無駄にしたというのは大間違いで、実際は蘭も英も等しく横書きであり、文法もほぼ同じ、決して無益でじゃないということがわかった。水を泳ぐのと木に登るのとでは全く別のように考えたのは、一時の迷いであった>という一節がある。
辞書を使い単語を覚え、読解に取り組む、この学習法の根本が身についていたのは大きいことだと思う。だから、中学受験についても「覚えた知識なんて、中学に入ってから忘れてしまう」などというサボる言い訳をすることがなく、勉強の型を身につけていることは一生の財産となると信じて頑張ってほしい。