水戸黄門。(子供たちはTVで見たことがないので知りません)
本名を水戸光圀といいます。その水戸光圀公が狩に出かけたところ、道中に老女を背負った男が休憩していました。男を知る家来の話によると、男は孝行息子として有名で、母親に光圀公の姿を見せたくて背負って着たとのこと。光圀公は感心し、男に褒美を与えました。
それからしばらくして、また同じ場所で同じような男に会いました。話を聞くと、母を背負って歩いているところだといいます。そこで光圀公は、この男にも褒美を与えようとします。
「それはなりません。この男は、前の孝行者の話を聞いてマネをしているだけです」
家臣たちは忠告します。しかし光圀公は、それでも褒美を与えよと命じました。
「悪人の真似をするのは悪人と同じ。親孝行を真似るのは親孝行と同じ。よいことをするならよいではないか。褒美を取らせなさい」
寺山修司
・「鳥はとんでいるときには決して下を見ないものなんだよ」
・「親が子に寄せる愛、ときには親自身の孤独とエゴイズムから生まれる私有欲であり、子にとって重荷である場合もあるのです。人間の思慮分別など、いつの場合だって自分勝手だったり、自己中心だったりする。それははかないものです。風にそよぐ葦のようなものです」
・「人は一体、二百年生きねばならぬとしたら何をなすだろうか。延ばされた天寿に比例して青春もまた倍増されるのでないとしたら『二百年』はむしろ罰としてしか意味をもたぬということになるだろう」
・「悪口をいわれっ放しでいる倣岸さは、けっきょくだれにも『悪口を言われないような、つまらぬ奴』になっていく危険があります。しかし、現代にあって、人に悪口をいわれぬような人とは、おそらく無能な人であろう、というのがわたしの推理であります」
・「時計の針が前にすすむと「時間」になります。後ろにすすむと「思い出」になります。」
最後に、こんな塾でありたい。
・「蛍の光で書物を読むのは、蛍ではなく人間である。蛍は自分の光で、自分を照らすことなどできないし、その光で自らの道を照らすこともできないであろう。それでも、蛍は光を灯しつづける」