保護者の方からよくいただくのが、「うちの子は全然、親の言うことを聞かないんです。どうすれば、いいんでしょうか?」というご相談です。その時に、生徒面談という形で数万件の子供達の生の声を聞いている私は、こうお答えしています。
「そうですよね。高学年になると生返事しかしないようなことはありますよね。私も、注意した生徒に「はいはい」と言われて「はいは、1回でいい!」と昨日言ったばかりです。でも、大人もお子さんの話を聞いていないということはないでしょうか?不思議なことに子どもたちは、お母さんと同じ不満をもっていることが多いのです。だから、お母さんが「話を聞いてくれない」と思っているなら、子どもたちも「お母さんが話を聞いてくれない」と、同じように思っていることが多いのです。」
「また、いうは易し行うは難しというのは分かっているのですが、「・・・のに」という思考が良く出てきた場合は少し時間をおいて子供に接するとうまくいくようです。自分のことを不幸だと思っている口ぐせの特徴が「・・・のに」を多用するそうです。
・「私はこんなに子供のことを思っているのに、わかってくれない」
・「僕は頑張っているのに、全然結果が上がらない」
・「私は優しい言葉をかけているのに、夫はかけてくれない」・・・
マイナス思考の時のコミニケーションはうまくいく可能性は少ないと思います。
<マーク・トゥエインの言葉>
人を褒めたら、同時にものを頼んではいけない。ほめことばは無料でなければ価値がないものだ。成績が良かった子どもに、つい「この調子だったら、さらにこの次は…」と口に出すのは、ほめている意味がないということでしょう。
<寺山修司の言葉>
「親が子に寄せる愛、ときには親自身の孤独とエゴイズムから生まれる私有欲であり、子にとって重荷である場合もあるのです。人間の思慮分別など、いつの場合だって自分勝手だったり、自己中心だったりする。それははかないものです。風にそよぐ葦のようなものです」
<聞く>
「聞く」という文字は、耳が門に囲まれている。だから、人の話を本当に聞こうとするには、門を外してから聞くべきだ。門というのを他の言葉に置き換えると、先入観とか思い込みという言葉になるかと思います。