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言葉で治療する

医療と教育というのは、似ている部分が多い職業だと思います。

「言葉には癒しの力がある。かつて、医学界では「ムントテラピー」というドイツ語が使われてきた。直訳すると「言葉で癒す」という意味。ムントは言葉。テラピーは治療である。「ムンテラ」と略されることもある。相手の心理状態を考慮しながら、丁寧にわかりやすい言葉で、具体的に説明することが大切なのだ。相手の心に届くことが大事。難しい言葉が一般的に使われるわかりやすい言葉に言い換える必要がある。横文字はできるだけ使わない。お年寄りには方言で話すと有効なこともある。絵に描きながら説明して、その紙を渡すと誤解が少なくなる。写真や図を離床すると、聞く側が胸に落ちやすくなる。「ムンテラ」という説明は、患者さんやその家族を癒すためにある。説明の裏に常に「癒し」の意識を忘れないことが大事だ。」

「薬を使わずに経過を見るとき、「我慢しなさい」と命令されるのと、「つらいよね」と共感されるのでは、大きく違う。
共感されたと感じた患者さんは、医師の言葉に聞く耳をも持つのである。医師がまず言葉を受け止めることによって、今度は患者さんが、医師の言葉を受け止める心を準備できるのである。
結局、コミュニケーションは、どちらかが言葉をちゃんと受け止めれるところから始まるように思う。」

違った人間がひとつの問題で同意するには、一方的に話したいことを話すだけでは、結論が出たとしても、納得のできるいい行動変容はできない。
聞くことに重点を置いて話をしていくと、だんだんとお互いが納得し、合意に近づく。

言葉の投げかけが一方向からだけにならないように、お互いが意識することが大事だ。とりわけ、最初に弱い側、つらい側が投げてくれた言葉やサインを受け止めることだ大事だと思う。

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