振り込め詐欺の話
サギにあった母親に、息子がどなりました。
「なんて馬鹿なことをしたんだ。俺の声と犯人の声の区別ぐらいつくだろう。こんなにニュースになっているのに、ひっかかるなんてアキれてものがいえない!」
それを聞いた息子の友人はこういいました。
「お母さんを馬鹿よばわりするお前が馬鹿だ。悪いのは、息子のお前じゃないのか!子どもと離れ離れで暮らしている母親は、いつも息子のことを心配しているはずだ。息子は、いつも忙しくてろくに電話もしてあげていないし、帰省してもすぐ友達の家に遊びに行ってしまう。そんな状況のときに、犯人から『助けてくれよ』という電話がかかってきたら、愛情ゆえに引っかかることもあるだろう。」
他人の気持ちになって考えることの重要さ、そして親の愛情の奥深さです。
「えらいひとになるよりも、よいにんげんになりたいな」(谷川俊太郎)