1.野口シカ
野口英世は、1歳の時に大やけどを負い、左手の指が癒着してしまいました。責任を感じた、母シカは、何とか学問で身を立ててもらいたいと、寝る間も惜しんで働きました。子どもを寝かせてから猪苗代湖へ出かけて小エビや雑魚をとったり、他の仕事より稼ぎが良いという理由で、荷物を背負って20キロの山道を行く仕事を始めました。その期間、なんと10年。
2.ナイチンゲール
ナイチンゲールは、クリミア戦争の時に、看護婦38人とともに戦地に赴きます。そこには、多いときには1万200人の患者がいたといいます。ナイチンゲールは、夜になると6キロもある病院内を、ランプを持って見回ります。
兵士たちはナイチンゲールを「ランプを持った淑女」と呼びました。
3.ペスタロッチ
最後は、スイスの教育家のペスタロッチのお話です。大学で教職課程を学ぶと出てきます。
スイスの貧しい村で、遊ぶ子どもたちを見つめる老人がいました。彼は微笑みながら、ときどきしゃがんで何かを拾っていました。その光景が毎日続くので、怪しんだ警察官が「失礼ですが、何を拾っているかを見せてもらえますか」とたずねました。警察官がポケットに手をつっこむと、そこにはガラスの破片やさびた釘などがぎっしり入っていました。子どもたちは裸足だったのです。
今の子どもたちにとっての「ガラスの破片やさびた釘とは何だろう?」と考えさせられます。