公立高校入試(独自入試のぞく)や大学の共通テストはたくさんの人が同じ問題を受けますが、、中学入試は学校により、それぞれ違った問題です。ということは、同じ偏差値でも、
「基本問題がほとんどで、合格最低点が高い」VS「難問が多いが、合格最低点が低い」
「得意教科(ほぼ)算数で勝負が決まる」VS「4教科のバランス重視」
「問題数が多いので、スピード勝負」VS「問題数が少なく、途中点の稼ぎかた勝負」
というふうに、特徴が正反対の学校がたくさんあります。
もちろん、自分にあった入試問題の傾向の学校を志望したほうが、合格率ははるかに高くなることをおぼえておきましょう。(「入試問題は学校の顔」といわれます。少し強引に聞こえるかも知れませんが、入試は学校の「こんな生徒を取りたい」という気持ちがこもっていますので、その入試傾向に合うということは、その学校の校風にも合うと考えてもいいでしょう。)
男子の特徴
- ・目がこちらを向いていなければ、まず話を聞いていないと思ったほうがよい。
- ・指示は簡潔に一つだけ。
- ・どうしても伝えたいことは復唱させる。
- ・文字よりも絵や図を有効に使う。
→低学年指導、V生指導にも参考に。 - ・男子は「身振り手振り」を使った熱血授業でないとついてこない。(桐光・伊奈校長)
- ・男子は「根拠のない自信をどう持たせるか?」の部分と折りに触れて「現実を知らせる」2つのバランスを計画する。
女子の特徴
- ・具体的な目標を持たせるとのびる。
- (1)時間を短くする。
→10個の問題を10分間で解いていたら、同じ量を7分間でチャレンジするように励ます。(結果的に9分になっても良し)
(2)課題の量を多くする。
→10分間で10問解いていた問題を、15問にチャレンジするように励ます。(結果的に12問になっても良し) - ・「自分は大切な存在だ」とまわりの人から認められ(励まされ)、自分でも自覚できることが必要。
- ・男女では「リスクのとり方」に差がある。安全志向になってしまう傾向にどう対応するかを考えておく。
- ・2学期になると、男子に追いつかれて模試成績が下がる傾向にある。自分は伸びていないのではないか?と自信を失うことがあるので、「キミは本当にのびているんだよ」とほめる必要がある。
模試のあと
「入試会場から、子どもが『できた!』といって帰ってきたときは惨敗のケースもあり、『ダメだった』という顔だったときは必ずしも不合格とは限らない」
前者のケースは、ハイテンションになり過ぎて問題を冷静に読んでいないとかミスが多発しているケースが考えられます。後者の場合は「問3までは出来たと思うけど、問4の(3)は自信がないなあ」とか問題の細部が口に出てくるようであれば、冷静に問題に当たったということが分かりますので、子どもが言っていたよりも良い点数であるケースが多く見受けられます。実際より悪くいっておいて、保護者の反応に保険をかけるようなタイプは別にして、良く問題と戦ってきたといえるのではないかと思います。
模擬試験会場に送り迎えされるのであれば、戻ってきたお子様の様子を観察してみてはいかがでしょうか。
保護者の方からも相談があるケースですが、スクール以外で模擬試験を受けるときは、「友だちどうしで行かない」というのも一つの手です。行きかえりに友達がいるのは安心ですが、せっかくの対外試合のチャンスなので、入試当日と同じような環境をつくることも大切です。対外試合を受けるチャンスがそうたびたび作れるわけではありませんので、もったいないということと、入試が始まったら「孤独な戦いである」という覚悟を決めることも大切なのではないでしょうか。
模試会場が、自分の志望校の場合は、机の高さやトイレの位置などをしっておくことは、入試当日に非常に有利になります。中学校によっては、教室に時計がないケースもありますので、当日は腕時計を忘れないようにしておいて良かったという卒業生の体験談もあります。積極的に参加したほうが良いでしょう。
模擬試験をうまく活用するコツは、やり直しを「すぐに」行うこと。はじめて試験を受けるときとか、会場がスクール外の場合は集中力もあがっています。模試の問題も頭に入っていることが多く、緊張感が解けないうちに「すぐ」にやり直しをするのは大変効果的です。出題されている内容も、その単元の絞り込まれたポイントであることが多いので、学習効果も高いといえるでしょう。解けない問題については、解説をしっかり読むことからはじめると良いと思います。
また、小6受験生については、合格判定模試だけはしっかり別にファイルしておくことも大切です。各回の出題範囲が違いますので、入試直前に自分の弱点単元の最後のツメをするときに有効です。