ある研究論文を読みました。ピーナッツアレルギーの発症リスクが高い子供に、ピーナッツを避けさせた群と、週に三回子供に与えた群に分け調査したところ、避けた群は17%アレルギーが発症したのに対し、与えた群は3%だったそうです。つまりこれまでアレルギーを避けるように指導した方針はむしろアレルギーを増やす方向だったわけです。
一定の負荷がかかることで人間はそれに対抗するように強くなるのが適応のメカニズムだという一つのアナロジーです(もちろん、実験はしっかりとした安全管理のもとに行われています)。現在の子育て環境はむしろ子供を過剰に守る方に向かっていて、その結果、免疫がない子供が育っていて、それがキャンセルカルチャーにつながっているのではないかという議論があります。「自分と異なる意見への免疫がない。自分を不快にさせるものへの免疫がない」人が、世界中に増えています。※キャンセルカルチャー=特定の人物・団体の行動を問題視し、集中的な批判や不買運動によってその対象を表舞台から排除しようとする動きのこと。アメリカを中心に2010年頃から広がり、日本でも似たような動きになっている、
しかし、本当に子供の時代に免疫がつくからと厳しい環境におけば、子供はむしろ不安障害になってしまう可能性もあるので極端に思考が触れないのも大事です。私は、(本当は大人も含めてですが、)今の子供達のメンタルは強くないと思っています。ただ、一つ言えるのは子供を守って守って守ってきて、いざタイミングが来たらさあ冒険しなさいと言ったところで、社会人になってからだと、時すでに遅しです。終身雇用が終わりを告げようとしてますが、まだまだ転職については日本企業はハードルが高いし、セーフティネットが盤石ではない。
では、いつチャレンジをして失敗の体験をしていけば良いのか?かっこいい言い方だと、冒険をすれば良いのか?その答えの一つとして、中高時代というのが言えると思います。少なくとも、大学入試のために中高時代があるわけではない。もし、その切り口でしか中学受験を語れないのであれば、その人は教育者ではありません。(と、思います)


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