風土

箱根駅伝で、「雑草軍団」と呼ばれた無名選手を率いて、創部わずか6年で総合優勝を果たした上田誠仁さんの話を聞いたことがある。4年間すごく頑張っている選手がいた。4年目にしてやっと箱根に出られることいなっていたが、直前でレギュラーを外れることになってしまった。その瞬間、彼は一生、箱根駅伝に出ることはできなくなったのだ。発表の翌朝、上田監督がグラウンドに出ると、彼は誰よりも早くグラウンドの出ていた。上田監督は、「えらい早いじゃねえぁか・・・」と声をかけた。

その時の選手の一言。

「自分の箱根は終わりましたけど・・・俺たちの箱根は終わってないですから・・・」

チームの一人が「ドヨーン」としていると、全体のテンションが下がってしまう。外された選手が落ち込んでいると、代表選手に影響してしまうことがわかっているのだ。これが、勝つチームの風土。