雑誌やSNSでは、「子どもが難関校に合格したのはこんな家庭だ」「こんな取り組みが子どもの学力を上げる」というような事例やデータが記載されていますが、これは何万(首都圏では毎年5万人以上の受験生がいます)とある事例の一つにしかすぎません。1つの事例であることには間違いがありませんが、普遍化することは不可能です。
私は、国語の授業を行うときに「再現性」ということを意識しています。違う文章が出たときでも問題が解けるような指導をしていかないといけないからです。
「低学年から読書習慣をつけていたおかげで○○中に合格した」という事例をみて、嫌がる子どもに読書をさせても、無駄にはならないとは思いますが、必ずしも国語力が上がるわけではありません。兄弟姉妹、また双子さんを塾でお預かりすることがありますが、お子さん一人ひとりは、別の人格と個性を持った存在だからです。また、〇〇中に合格させたご家庭の写真が雑誌等に載ることがあり、いかにも「夫婦仲良く、家族も円満」な感じを受けますが、取材というバイアスがかかることと、理想の家庭像の調査結果などが円グラフで出ていたとしても、驚くほど調査結果が少ないものです(○○満足度ランキングの調査件数は数十件だったりもします)。
情報に振り回されずに、「うちはうち、よそはよそ(→これは魔法の呪文だと思います)」を貫く方が健全な中学受験生活ができるでしょう。
