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中学受験国語専門塾です

9歳の壁

心理学には、「9歳の壁」という概念がある。

小学4年生くらいから学校の勉強や人間関係が急に抽象化・複雑化する。それ以前は日常生活で使われる語彙だけでなんとなくやり過ごせたものが、そうではなくなるので、国語力を磨いてこなかった子供達は、人間関係がこじれるといったことが起こり始める。欧米では子供の生活環境が重要視されていて、法律によってそれを保障しようとする意識が日本より高い。フィンランドでは、親の妊娠がわかった時点から小学校入学まで、一家族に一人の保健師が担当について、妊娠、出産、子育てに関するアドバイスを一貫して行う。原則として担当者は変わらないので助言もぶれることはない。親はどう話かけるべきか、なぜ絵本の読み聞かせが重要なのか、自発的な遊びが何を育むのか。アドバイスによって、親は化学的な知見に基づいた育児を意識してやるようになる。国が、無償で子供の国語力の底上げをしているのだ。もちろん、国の規模も違うので同じことを日本でやれるかという問題はあるが、そういう事例があるということを知っておくのは損ではない。

「中学受験塾に何歳から入れた方が良いですか?」と聞かれることがある。私は、低学年からの通塾により家族の時間が減ることの危惧をずっと言い続けてきた。通塾の低学年化は、塾の経営上の問題も大きいとも思っている。今の塾のスタンスは、「小五から本格的に受験勉強を始めて、ラストスパートでごぼう抜きにし、それぞれが目標とする学校に合格させる」である。賛同いただいているご家庭と共にしっかりとした結果を残したい。

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