特権
「受験必要論~人生の基礎は受験で作りえる~」(集英社・林修著)
より 『まず、「受験ができることは特権的なことである」。これはすべての受験生に心しておいてほしいと思います。世の中には受験することを許される人と許されない人とがいます。大学に行きたかったけれども家庭の事情で行けなかった人、特に最近は経済的な理由で受験したいけれどもできない、そういう人がたくさんいるなかで、受験ができること自体は特権的なことであるんです。』『大学とは自分の可能性を探す場所です。そんな素敵な場所への挑戦を親がさせてくれる環境にある。しかも、行きたくても行けない人がいる中で行かせてもらえる。なのに、受験に真剣に取り組めないというのは、甘えているのではないでしょうか。やりたくないならば、やらないほうがいい。逆に、やらせてもらえるのならば真剣に向き合いなさい、と言いたい。』
小学生の受験
『ひと月頑張れるということは実はすごいことで、ひと月頑張れる人は1年頑張れる。1年頑張れる人は、それを積み重ねて10年頑張れる。10年頑張れる人は結局、一生頑張れる。』
『まず「積極的受験」について説明します。これは受験の段階で、大学やその先ですでにやりたいことがある場合です。一番わかりやすいのは医者。医者になりたいとなると、これは大学の医学部を卒業しないといけない。あるいは弁護士になりたいとか。一方で「消極的受験」というのは、高校生にとって見える世界というのはまだすごく狭いわけです。僕自身も大学に入ってわかったことがたくさんあります。それに、社会に出てさらに「世の中はこんなふうだったんだ」とわかることも多かった。だったら、まず世界を広げてみるために大学に行ってみる。そのための受験を「消極的受験」と考えています。僕は、このどちらでもいいと考えています。』
スルメ
『わかりにくいものを読ませ、自分で考えさせて放っておくというのは、ものすごく硬いするめを与えるような教育なんです。全然飲み込めないするめがありますよね。でもずっーと噛んでいるとだんだんふやけてきて、最後には食べられる。そして食べるためにクチャクチャやることがアゴを鍛えたわけです。ところが今は、口どけのいいなめらかなプリンのようなものばかりを渡すんです。楽に、ツルッと体内に入っていく。しかし、それではあごの筋肉は鍛えられない。勉強も同じことです。僕は「わからない時間が尊いんだよ」といい続けてきたんです。』
『哲学者は、一生答えの出ない問題を「わからない、わからない」と考え続けるわけです。でも、それが本当の勉強だと思うんですよ。』