カナダの教育の三本柱は「マインド」「ボディ」「スピリット」です。ITを使った学習も進んでいますが、生徒には23種類あるスポーツの、いずれかの課外活動に参加することが義務付けられており、さらに奉仕の精神やリーダーシップ・スキルの向上を図ることを目的にさまざまな地域活動にも参加しています。
「生徒の一人ひとりが、学業以外の得意な分野や好きなスポーツでベストを尽くし、学生生活を充実させることを重視しています。それによって自信、勝敗による喜びや悔しさ、と同時に他者への敬意などさまざまな感情が育まれていくはずだからです」
というのが理念です。
私立中学校の説明会に行くと、学習面以外に「部活動」や「学校行事」をアピールされますが、同じ狙いです。
失敗から自信が生まれる
臨床心理学者であるリチャード・べドナーとスコット・ピーターソンは自尊心に関する共著の中で、『失敗の経験を冒しながら、困難なことに積極的に対処しようとすること』が自信を強めると報告しています。
失敗するかもしれないからと挑戦を避けていては、自分自身に対して「自分は困難なことや失敗に対処することができない」というメッセージを送り続けていることになります。その結果、自尊心は損なわれてしまいます。
困難に挑戦することは、「自分は失敗を恐れないし、たとえ失敗してもすぐ立ち直れる」というメッセージとなり、心に深く届きます。あきらめずに立ち向かうことは、勝ち負けや、失敗か成功かという結果よりも、自尊心にとって、長期的にいい結果をもたらすのです。