「人間の一番人間らしい状態にあるのが子どもです。」
司馬遼太郎さんの言葉です。
子どもは、すぐに口にものをいれようとします。
熱いスープにも、指をつっこんでみようとします。
虫の様子をあきずに何十分も見続けます。
このような「好奇心」を私たち大人も忘れてはならないと思います。
私は国語の教師ですが、たまに理科のテキストを読むと、とても面白く感じることがあります。
教えなきゃ、成績をあげなきゃという気持ちではなく、興味をもって物事を見るからなのでしょう。
「目」とは教育の産物である。(ブルデュー)
振り込め詐欺
サギにあった母親に、息子がどなりました。
「なんて馬鹿なことをしたんだ。俺の声と犯人の声の区別ぐらいつくだろう。こんなにニュースになっているのに、ひっかかるなんてアキれてものがいえない!」
それを聞いた息子の友人はこういいました。
「お母さんを馬鹿よばわりするお前が馬鹿だ。悪いのは、息子のお前じゃないのか!子どもと離れ離れで暮らしている母親は、いつも息子のことを心配しているはずだ。息子は、いつも忙しくてろくに電話もしてあげていないし、帰省してもすぐ友達の家に遊びに行ってしまう。そんな状況のときに、犯人から『助けてくれよ』という電話がかかってきたら、愛情ゆえに引っかかることもあるだろう。」
他人の気持ちになって考えることの重要さ、そして親の愛情の奥深さです。
「えらいひとになるよりも、よいにんげんになりたいな」(谷川俊太郎)