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原点に戻る

「なぜ中学受験するのか?」という原点に立ち戻ることで、解決の方針が見えてくる場合が少なくありません。その原点は、いつの間には忘れてしまうこともあるでしょう。あるいは、そもそもその問いを突き詰めて考えていなかったからの場合が多いのではないかと感じています。

哲学者、安岡正篤さんの言葉をご紹介します。

『大器晩成という言葉があるが、人は自然が晩成した大器だ。高等動物の中で、一番後で作ることに成功した。まさに大器晩成で、大自然という偉大な創造者が何十億年もかかってやっと作ったもの。だから、自然の法則は人間においても同じく、人間は、早成する、早く物になるということほど危ないことはない。人間もなるべく晩成がよい。まあ、死ぬ頃になんとか物になるというくらいの覚悟でぼつぼつやるがよい』私は、大器晩成という四字熟語より、「大器は晩成す」という言葉のほうが好きです。逆説的に聞こえるかもしれませんが、後に大きく華を開かせるための土台づくりとしての中学受験という意味合いもあって良いと思います。保護者の皆様もご経験があると思いますが、子供は歳の近い先人に指導されるのが、一番自然です。部活動で先輩後輩の上下関係は緩いことが多いのが、中高一貫教育のメリット。すぐ上の先輩は厳しくても、一番上の先輩は年齢も離れているので優しくしてくれるのが一般的です。

また、学校は主要教科を勉強するだけではありません。アムステルダムのゴッホ美術館にいったとき、葛飾北斎のコーナー(英語で版画は、ウッド・ブロック・プリント)がありました。葛飾北斎は、日本以上に世界で有名です。世界で最も有名な「波」の画といわれている「神奈川沖浪裏」と同じ形の波を、オックスフォード大学とエジンバラ大学の研究チームが再現することに成功しました。方向の異なる二つの波の交差を研究することで、海難事故を防ぐ方法が解明できるということです。美術の世界から、人の命を救う方法が解明されるかもしれないというのは、ロマンがありますし、今はそういう時代なのだろうなあと思います。

私立中学校に行く理由の中に、美術や音楽などの「教養(リベラルアーツ)」に触れることができるという魅力もあると思います。外国の方とのコミュニケ―ションにも必須。

あらためて、小さな成功ではなく、大きな「ミライ」のための中学受験を。

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