「うまくいけば大当たりなんだけど、失敗すると何も残らない。こういう考え方をオールオアナッシングというが、実はこれは大嘘。物事を本気でやると、失敗しても必ず何かが手元に残る。」
科学の大きな発見というのは、失敗がきっかけとなって生まれることが圧倒的に多い。電気が流れるセメントも、偶然、炉の中に水素を満たした中でセメントを焼いたら出来たもの。ノーベル賞をとった白川秀樹さんの電気が流れるプラスチックも、実験の際に学生が「ミリ」と「ミリグラム」を間違えたことがきっかけで生まれました。
生徒諸君、単位を間違っていいかも?という話じゃないですよ。
『物事を一生懸命やると、絶対に無駄だったということはないぞ』ということです。
ほっとする
保護者会や講演会で、「親として~ならねばらない」式のプレッシャーに振り回される必要はないですよ、という話をよくしています。「14歳の子を持つ親たちへ」(新潮社)のなかにも、内田樹さんが、ほっとするような話をされていました。
『家族での対話の基本というのは、「お腹減ってる?ご飯あるよ」とか、「お風呂はいる?わいてるよ」とか、「眠い?お布団干しておいたよ」とか、そういう生理的な快の提供と不快の除去というところにあると思うんです。それがクリアーできたら家庭としてはもうお上等ですよ』