ジャンボジェットの機長の心構え
数百人の人の命を預かるというのはとてつもないプレッシャーであると思います。副操縦士さんとは別の食事をとることで万が一のリスクを防ぐということもされています。
私たち教育業界にいる人間も、大事なお子様を預かっているという緊張感を忘れてはなりません。
■都合のよい解釈をしてはいけない
事故を防ぐために一番いい方法は、何かあった場合に自分が都合がいい解釈をするのではなく、自分に一番都合が悪い解釈をして、それでも大丈夫なように、行動することです。
■将来やらなければいけないことは、可能なら即やってしまおう
人間が弱いものの一つに、将来に対する命令というのがあります、ある場所が来たら何々しなさいとか、何時何分になったら何々をしなさいという指示には非常に弱い生き物です。
何もなければいいのですが、そういうときに限って直前に客室からお客様が病気で倒れたとか、計器の指示におかしいものがあるとか、注意を奪うものが出てきます。
これに対する対策で一番いいのは、可能ならばその場で対処してしまうことです。
■内なるマッチョに抵抗しよう
人間誰しも自分に対する評価は甘くなります。
一説によると自分を見るときは150%で見ているけれども、他人を見るときには50%でしか見ていません。ここで内なるマッチョが登場します。
周りは皆できないけれど、私ならできるとか、私の技量なら切り抜けられるとか、自分自身は特別だと思う心です。
過去の事例を見ていると、私は絶対にこんなことはしないと豪語している人間ほど大失敗をしている気がします。
■絶対に最後まであきらめてはいけない
人間の生死や運命は気持ちの持ちかたに左右されます。
1996年12月17日、ペルーの首都リマ市内での革命運動家(MRTA)の14名のメンバーが日本大使公邸を襲って400名以上の人質をとって立てこもりました。
事件は126日後の4月22日にペルーの特殊部隊による強行突入で解決しましたが、そのときに人質1人、特殊部隊の隊員2人、MRTAのメンバー14人に命が失われました。
このとき特殊部隊の中では、亡くなった2人の隊員だけが突入前に遺書を書いていました。
第2次世界大戦のときも、敵に撃たれた兵隊の中でたいした傷もないのに、「おれはもう駄目だ、おれは死ぬ」と言っていた人間は本当に亡くなり、それよりはるかに重傷で絶対に助からないだろうと思われていた兵隊でも「おれは絶対に生きて日本に帰る」といっていた人間は不思議と助かりました。
どんな状況になってもあきらめないこと。
必ず生きて帰るという信念こそが重要なのです。