松村圭一郎(文化人類学者)
・未来がわからないことは必ずしもネガティブではないと思いませんか。すべて未来が決まっている人生なんて楽しいでしょうか?人工知能が経歴や性格診断などの結果から、結婚や交際の相手をマッチングする時代が訪れつつあります。そうやって人工知能が薦める人と出会って、提案されたものを食べて、提案された学校、会社に通う。人工知能が学習した大量のビッグデータが人間直感や思考を凌駕する場合もあるのでしょうが、仮にそうだとしても、自分で生き方を選択できない状態は、幸せなんでしょうか。ただベルトコンベアに乗って流されていくようで、本当に生きているとは感じられないかもしれません。むしろ、基準が複数あること、予想通りにいかないこと、枠から「はみだす」こと、それこそが人生の面白さだと思うのです。
数字は参考にはするけど、最終的には「自分で選択する」ことが志望校については大事だと思います。